あわせ鏡に映る無数の像

鏡を二枚向かい合わせにすると同じものが無数に映る。皆が子どもの頃に驚嘆を持ってみた現象です。

この短編小説は、あわせ鏡を設定に用い、あわせ鏡が持つ構造をまさに「写し取った」脚本を成立させました。

結末の真意は何なのか? 考え始めると、あわせ鏡に映った像のように無数に候補が浮かび、どれが真実か分からなくなります。作者の術中にはまります。

題材への深い洞察が物語構成に活きている小説です。