第28話 子供の留学備忘録⑤ せめて後悔のないように


 何だかんだ言って、最後までヨーロッパ留学に夢を抱いていた息子だったけれど、「奨学金取れなかったらマレーシアに行く」と決めていた通りになった。


 四月の終わり。第一希望の大学との面接に玉砕した後、急遽、滑り止めという形でマレーシアの大学のファウンデーションに申し込んだ。

 こちらは高校の成績と英語の資格(IELTS5.5でOK!)さえあればすぐに入学資格をもらえる。


 やはり、いきなり大学課程で英語の授業初体験なのは心配だったので、一年間は英語での授業に慣れる意味でもファウンデーションが良いのでは、と思った。


 海外の大学は入りやすいが卒業は難しい。

 ハンガリーの大学の卒業率を調べたけれど、20%くらいだった。

 もちろん、学部によって大分違うのだろうけど、海外大生のブログでも「年々友達が減ってゆく」と書いていた人がいた。


 まぁ、一年ファウンデーションで勉強したところで、大学の授業についていけるのかはわからない。途中で嫌になって辞めてしまうかも知れない。頑張っても卒業出来ないかも知れない。

 でも「あの時ああしておけば良かった」と後悔するよりも、やるだけやってダメだったなら気持ちも収まるというものだ。


 息子はよく後悔の言葉を言う。

 例えば高校生になってから「中学の時サッカー部に入っておけば良かった」とよく言った。高校は経験者ばかりで今更入れない。でも中学なら初めての子も多かったはずだと。

 いやいや、友達と同じ部活を選んだのは君だろう? と私は思うが、本当に入りたい部活より、知っている子がいない不安の方が大きかったのだろう。


 この留学の件でも、息子のそんな後悔癖を案じた。

 もちろん本当に行きたいのはアメリカなどの欧米系の大学だったかも知れないが、我慢して日本の大学に通うより、自分で望んだ海外での生活を始めた方が後悔はないのではないかと、私は思った。

 

 だから、ダメで元々なのだ。

 せめて後悔のないように生きてくれ!




※「子供の留学備忘録」留学前編はここで終わります。

 読んでくださりありがとうございました<(_ _)>ペコリ

 また、書けるようなネタがたまりましたら、その後の様子を書きたいと思います。

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れおの備忘録 ~思い出・覚えておきたいこと・創作メモなど~ 滝野れお @reo-takino

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