糸のような絡まった時間の流れが結びつけた、不思議な恋のお話

4427文字という短いお話の中に、ときめきと切なさと悲しみと希望が詰まっています。
この短さで読者の感情を上下に揺さぶるなんて、天才なのでは!?

アングレカムはランの仲間で、白が美しいお花です。
開花して一ヶ月以上咲く種もあるそうですが、それでも花の寿命は限りある時間。
その短い時間の中で精一杯美しく咲きます。

この物語の主人公たちも、運命という時間の中で、出会って、笑って、恋をして、泣いて、想いあって、願う。
その願いの美しさに、ホロリと感動の涙が。

結末は、読者の想像に委ねられています。
不思議な終わり方。どのような解釈をするかは読み手次第。
どうであれ、彼と彼女が過ごしたあの時間は色褪せることなく、本の中で輝き続けることでしょう。

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