書かれているのは自分のことではないのに、
自分の中の「子ども」の部分をくすぐられてしまいます。

子どもの頃の冒険譚。
私にはそういう記憶はないのですが、なんでしょう、この懐かしさ。
まるで自分も、かつてそこにいたかのような。

こんな時間があったかも。こんな時間があったなら。
そんな郷愁とも、憧憬ともつかないような不思議な気持ちになります。

大人になってからこそ、こういう物語には揺さぶられてしまいます。
作者様の、同級生に語っているような、親しみのこもった文章が良い味を出していて、
読みやすいです。

子供の頃に祖母の家に友人と供に行く話。

単純ですが、作者の筆力で子供の頃に戻ったような気分になりました。

頭の中には「歩こう！」が流れていました。

自分もはじめて祖父母に家に一人で行ったときに、ドキドキした感覚を思い出させくれて、凄く懐かしかったです。

あの頃のワクワクを鮮明に思い出させてくれる話。

オススメです!

映画「スタンドバイミー」を見ると、線路の上を歩きたくなりますよね。
ですが現実、線路の上を歩くのは大変に難しく、迷惑をかけてしまいます。
この作品の桃子ちゃんも線路の上を歩くのに憧れましたが、そこは常識的に考え、道路を歩くことにしました。
目的地は、おばあちゃんの家。
誘う友達は、二人。
なぁんだ、おばあちゃんちか。大冒険じゃないじゃん。
なんて、安易に考えてはいけません。
おばあちゃんちがめちゃくちゃ遠い……。お友達、よく付き合ってくれましたね。

この作品の見どころは、友情。
スタンドバイミーと同じく、夜、心にあるものを友達と語り合います。

子供の頃の友情。大人になると変わってしまいますよね。
変わらない友情というものは、ないのかもしれません。
それでも、あの夏の日に友達と冒険をした日のことは、一生の宝物。
ちび桃子ちゃんの心の中に、そして友達二人の心の中にも、きらきらと輝いていることでしょう。

「子どもの頃の大冒険（スタンド・バイ・ミー♫編）」は、映画「スタンド・バイ・ミー」に影響を受けた少女たちの冒険を描いたノスタルジックな作品です。

小学校5年生の頃の青木桃子先生が映画を観て冒険に憧れ、友達と一緒に冒険に出かける姿が非常に魅力的です。友情や成長が描かれており、読者に懐かしさと感動を与えます。

特に「あの夏の冒険が宝石のように輝く大切な思い出である」と感じるシーンは、心温まります。

小学五年生くらいの作者さん。桃子ちゃんは、当時やっていた映画「スタンド・バイ・ミー」を見て影響を受ける。
冒険をしようと友達三人で田舎の祖父の家へ。


子供の行動力の凄さ。
ん？　作者さんの行動力に感心してしまいます。子供だから出来ることや、不安、楽しいこと。その時はなんてことなくても、今になってから青春だった。と言える思い出だと思いました。

オススメ作品です。