5.呪いの小説大作戦
そしてね、私は最終作戦に打って出たの。名付けて『呪いの小説大作戦』。
私はカクヨムに新しいお話を書いて、その最後に次のように付け加えたのよ。
「・・・。読者の皆様へ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実はこの小説には呪いが掛けられています。このため、読んだあなたには必ずその呪いが降りかかります。その呪いとは、今後あなたの書く作品には一つも☆が付かないというものです。どうです。怖いでしょう・・・でも安心してください。最後まで読んでいただいたお礼に、あなたにはその呪いを解く方法をお教えします。それは、この話に☆を3つ付けていただくことなのです。こんな簡単なことで、今後はあなたの作品に☆が付くようになるのですよ・・・さあ、今すぐにこのお話に☆を3つ付けましょうね」
これぞ、最終兵器だぁ。誰だって、もう☆が付かなくなるって言われると震えあがるわよねえ。今度はお星さまは確実だぁ。やったあ。これで、お星さまをバッチリいただきよ。
私はこの話をカクヨムにさっそく投稿したわ。
そして、また1日が経ったの。私はウキウキしてパソコンを立ち上げた。
今度こそ、お星さまがいくつもいくつも輝いているはず・・・
しかし・・☆がない! 一つもない! PVは? PVは57だ。57人も読んで☆が無いの?
思わず、お下品な言葉が私の口から出てしまったのよ。
「くそぉ、お前ら全員呪われてしまえ。これで、お前らの作品には今後いっさい☆は付かねえんだよ!」
そして、私は拳を天高く突き上げて、高笑いをしたの。
「ざまあみやがれ! ワハハハハ」
するとね、私のお話に♡が一つ付いていて、応援コメントが寄せられているのに気がついたのよ。誰なの? 応援してくれたのは?
見ると・・・なんと、またあのバカ最底辺作家の永嶋良一なのよ。私は「お前なんか出てくんな」と心の中で叫びながら、一応コメントを読んでみたのよ。
『こんにち葉。素敵な作品ですね。呪い・・こわいでs。実は僕の作品に「京都の神社に奉納された呪いの絵馬に呪い返しをする」という話があるんですが、その話を真似して、冗談で僕がこの作品の呪い返しをしておきました(笑)から安心してください』
『こんにち葉』は『こんにちは』。『こわいでs』はたぶん『こわいです』なのね。相変わらず、コイツの文章は誤字脱字の宝庫ね。
しっかし、『呪い返し』ですって? 何なのいったい?・・私はバカ最底辺作家の永嶋良一の駄作を漁って見たのよ。
すると、京都の貴船神社で呪い返しをするっていう、くっだらない話があったわ。きっと、コイツはこの話のことを言ってるんだ。しかし、本当にくだらない話なのよ。東京の女子大生が友人の女子大生と、恋人をめぐって三角関係になって、友人が京都の貴船神社に呪いの絵馬を奉納したので、『呪い返し』をするって話なんだけど・・
これを読むと、『呪い返し』というのは、掛けられた呪いをそっくりそのまま呪いを掛けた本人に投げ返すということなのね。
ストーリーも支離滅裂で、内容も無茶苦茶で、文章もド下手で、とにかくね、全てがこんなの読む人がいるのかしら?って思うくらいヒドイのよ。
しかし、こんな駄作の話は置いといて・・バカ最底辺作家の永嶋良一の話だったわね。最底辺作家の永嶋良一が応援コメントで言っているのは、コイツは自作を真似して、冗談で呪い返しを私の作品にしたっていうのね。
あまりのバカバカしさに、私の笑い声が高らかにひびいたのよ。
「ははははは。相変わらず、コイツは本当にバッカだねえ。そんなバカだから、誰もお前の作品なんかに☆を付けないのよ。ははは。『呪い返し』なんてあるわけないじゃん。ホント。どうしようもないバッカだねえ。ははははは」
・・・・・
しかしね、あれから半年が経ったんだけどね。あれからね、私の作品には一つも☆が付かなくなっちゃたのよ。またまた、私の口から乙女にあるまじきお下品な言葉が出てしまったのよ。
「くそぉ~。くそバカ最底辺作家の永嶋良一め。冗談とはいえ、『呪い返し』なんていらんことをしやがって。お前のお陰で、私は☆がまったく付かなくなっちゃったじゃないの。カクヨムでは作者は自分の作品に☆を付けることができないのよ。だから、私は『呪い返し』にあった自分の作品に☆を3つ付けて、自分の呪いを解くことができないのよぉ~・・・くっそぉ~。最底辺作家の永嶋良一め。いったいどうしてくれるのよぉぉぉ」
了
同情するなら☆をくれ(カクヨム☆取奮闘記・異聞) 永嶋良一 @azuki-takuan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます