ティアウィッチは零れない

　人間の世界と精霊の世界、その境界を守る役目を担う「微笑みの魔女」シルヴィア。
　彼女の弟子で、仏頂面だけれど気の利くディラン。

　読者が察する期待どおりの二人ですが、お互いに大きな勘違いをしたまま、想いはすれ違います。
　本当の想いは、願いは、言葉にしないと伝わらないもの。ディランの本音がこぼれ落ちる瞬間は、必見です。ぜひご一読ください。

　森の奥に住む魔女シルヴィアは常に笑みを浮かべているせいで「微笑みの魔女」と呼ばれています。でも、それは彼女が負う役目のため。

　精霊が好む、気高く強い存在であり続けるために。

　そんな彼女が心を揺らしてしまうのは、いつも冷静で、けれど世話焼きの弟子のディラン。ひょんなことから彼の好みの女性について聞いてしまったシルヴィアにはとある事件が起きて——。

　自らの意思で魔女という役割を担う選択をしたシルヴィアの、森での生活と人々との関わり合い、そして、彼女を支える押しかけ弟子のディランとの不思議で温かい日々。

　ほのぼのとしたお話ではあるのですが、ディランが語ったシルヴィアが微笑んでいる…続きを読む

森の奥に住む魔女のシルヴィアと、人間の弟子であるディラン。

微笑みの魔女と呼ばれるシルヴィアには、常に微笑を浮かべる深い理由があった。
それは、彼女が魔女たらんとする決意の証。
そんなある日、シルヴィアは偶然ディランの「好みのタイプ」を聞いてしまう。
だが、それは密かにディランに想いを寄せていた彼女を打ちひしがせるものだった。

すれ違いながらも互いを大事に思う師弟の、心温まる恋物語。キーワードにキュンときたら、是非読まれることをお勧めします。