異能!ヤクザ!闘技場!血飛沫!ブッ飛ぶ腕や首!カニと焼肉でガンギマリ!

借金のカタにヤクザに飼い殺されている『炎馬』こと一馬。異能を用い、非合法が跋扈する東京の地下闘技場で戦いの日々に身を投じる彼は、圧倒的な実力を持った謎の少年『シオン』と出逢う――。
世界観も異能バトルも、そしてタイトルにあるような要素も全て大好物な内容でした。こういうノリとテンションの作品、めっちゃ好き。
まだまだ序盤ですが、イカれた都市でイカれた人生を送る血生臭い彼ら彼女らは、はたして伝説の大入道の正体へと辿り着くことができるのか。非常に続きが気になります。

ただ別の意味で『気になる点』としては、戦闘シーンの描写です。
迫力があってテンポも良く、この作品の長所や『ウリ』のひとつだとは思います。改行を多く、ひとつの文章を短く、そして「刺す。」「殴る。」などの形にする。そのテクニックは、確かにバトルのスピード感を演出してくれます。
しかしそればかりを多用すると、かえって安っぽく見えたり、逆に緊張感が削がれたりするリスクも孕んでいます。
バトルシーンを文章のみでカッコ良く魅せる『技』は他にも色々とあるので、それらも組み込んでいけば、更なる傑作へと進化すると思いました。

とはいえ、間違いなく上質な異能バトルものではあります。蛭や岩猿といった、『仲間』と呼ぶにはクセが強すぎるキャラ達も魅力的でした。シオンの過去や一馬の成長など、彼らが今後どんな活躍をするのか、期待大です。

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