撒かれるのは罪だけではない。蒔かれるものも、あるのだから。

お笑いというテーマに沿って書かれたこの作品。
それなのにどうしてタイトルにはこうも不穏な文字が並ぶのか。
罪を撒く、極悪。
いわば『笑い』と対極にあると言ってもいいこの言葉達が、如何に紡がれ、彼を動かし、そして周りをも巻き込んでいくのか?
一つの見方からすれば、彼は確かに犯罪者だ。
だが、違う角度からみればそれは不条理な『ナニカ』を見据える存在ともいえるのではないだろうか。

と仰々しく言ってみたが、そんな私にきっと彼はこう言うのだろう。

「どうでもいいんだよ、笑っとけ」と。