1110101

僕は、僕は……

テレビで面白おかしく紹介されたヲタク。


彼は必死だった。ただ真剣に「好き」を叫んだ。


司会者が笑った。大きなゲラ。


観客が笑った。もっと大きく。


家族も笑った。それがきこえた。


僕も笑った。ヲタクを隠して。


冷や汗かいた心を握り潰して笑い続けた。

肺に自分の笑い声が刺さった。


僕を殴って黙らせてやりたかった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

心象刺繍 一縷 望 @Na2CO3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る