第2話
ほんの半刻ほどあと、ボクの正体に不審を覚えていた彼女の肉片を見下ろし小さく溜息を吐いてひとりごちる。
「あーかわいそかわいそ。ごめんねえぇ」
彼女に近付いたものは消さざるをえない。だって本当の彼女はもう組織に消されてしまったのだから。
今この場で彼女として生きる、ボクこそがそう、彼女の生きる証明となる。
彼女の顔を継ぎ、彼女の名を継いだ彼女の現身。
だから彼女を知る者を、彼女に近しい者を、ボクが彼女として息の根を止めて行こう。
彼女の存在を証明し、彼女の死を否定する。
それが続く限り彼女はこの世界に生きているのだから。
それがボクの推し活なのさ。
彼女の証明 あんころまっくす @ancoro_max
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます