第8話 母と娘
お気に入りのエプロンを着けて母と台所に立つ。
母は、私が母の日にプレゼントしたエプロンを着けている。
数えるほどしか一緒に台所に立たなかったが、手際よく進めていく母を見ると長年の培ったものが垣間見れる。
「結局、お母さんにいつも作って貰ってばかりだったよね。私何も作れないな。」
「お母さんだって、結婚する前の一人暮らしで料理始めたのよ。みんなそんなもんよー。」
「バレンタインのチョコを溶かして固めるのは私得意だよ。」
「小学生の時からだね。毎年バレンタインに梨花がチョレート作ってくれるの。お父さんなんか勿体なくて少しずーつ食べてたんだから。」
「そうなんだ。反応無かったから知らなかった。」
「シャイだからね、お父さん。」
そんな他愛もない話をしながら、3人の最後の料理が段々と出来上がっていく。
「よし、出来たね!あっちに運ぼうか。」
オムライスのカレーソース添え、醤油ラーメン、海苔たっぷり卵かけご飯が出来上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます