第3話 当日②

昼食のナポリタンをあっと言う間に食べ終わった。

ピーマン、椎茸、玉ねぎ、ウインナーのシンプルな具だけど、味付けが絶妙に美味しい。


一度真似して作ってみたけど、塩加減が難しくて物足りない味になってしまった。

母に作り方を教わろうと思っても目分量で作ってしまうので参考にならない。

母の味を再現できるのは、しばらく時間が掛かりそう。


「あと10分だね!何か飲みながらテレビ見ようか。みんな何飲む?」

母に代わり、飲み物の準備をする。

お湯を沸かし、マグカップにそれぞれ粉を入れていく。

父はブラックコーヒー、母はミルク入りのコーヒー、私はココアにした。


3人とも温かい飲み物で喉を潤す。見逃さないようにトイレも済ませた。

なぜか正座でテレビの前に座っている。

この緊張感は今までに感じた事がないものだった。




『それでは国民の皆さん、時間になりましたのでお知らせを致します。』

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