第6話 感情のスイッチ

一旦それぞれ部屋に戻る事にした。

梨花は椅子に座り、フーッとため息をつく。


さっきから心拍数が上がっていて、明らかに動揺しているのが分かる。胸も苦しい。でも、もうどうすることもできない。あと少しで地球は終わるんだ。


「こんなことなら、我慢しないであのバッグ買っておけば良かった。大山君にもまだ気持ち伝えてないのに。」

涙が自然と溢れる。感情のスイッチが壊れてしまったみたいだ。




携帯を見ると高校の同級生や友達から何件もメールや着信が入ってた。


(電話する元気ないや。メールも返す気力ないよ…。)


大山君からもメールが来ている。嬉しかった。

でももう二度と会えないんだと思うと、悲しくて切なくて、梨花は子供のように声を上げて泣いた。


(神様なんかいない。いたらこんな事起こるはずがない。)






思う存分泣いた梨花は、早起きしたからか机にうつ伏せのまま寝てしまった。




レースカーテン越しの外はすっかり暗くなっていた。

「やばい!今何時だろう?」

時計も見ず携帯をポケットに入れ、大慌てで居間に向かった。

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