第7話 リクエスト




ダッダッダッ




「お母さん、いま何時なの?」

ソファーに座る二人は驚く顔で梨花を見る。


「どうしたのよ?慌てて。顔が真っ青よ。もうすぐ5時半になりそうだけど…」

「焦ったー。今起きたんだけど外が真っ暗だったからさ。」

「日が落ちるの早くなったからね。ちょうど呼びに行こうと思ってた所よ。夕飯、何食べたいか決まった?」

「んー、悩んだけどやっぱりあれかな!」

「あれって?」

「オムライス!カレーも食べたいから、カレーのソース付きが食べたい。」


母はそれを聞いて小さく頷く。


「どっちも梨花の好物だもんね。任せて。名付けて『オムライスのカレーソース添え〜最後の晩餐仕様〜』ね。デザートはリクエストある?」

「材料あるならパフェが食べたい。生クリームいっぱい乗せたやつ!っていうか、その料理名すごいね。迫力ありすぎ!」

「でしょ。アイスも生クリームもあるから作れるわ。山盛りにしてあげるから。」

「ありがとう。お母さん達は決まったの?」

「お父さんは醤油ラーメンだって。ね?」

「うん。お母さんが作るスープ美味しいんだよな。ネギと海苔もよろしく。」

「簡単なスープだけどね。チャーシューもあるからそれも乗せるわ。私は、何がいいかな。随分迷ったんだけどね。」


冷蔵庫を開け閉めしながら、母はしばらく考える。




「決めた。お母さんは、卵かけご飯に海苔をたっぷり乗せて食べるわ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る