変えてしまってはならないものと、変わらないもの。

 都市伝説にまつわる悩みから、主人公の美女が訪れたのは、一風変わった探偵事務所。そこには少々気障な探偵と、男子高校生、香りを操る美女がいた。友人に紹介されて来てみたものの、探偵の男の話は、呪いだの生霊だのと言った、眉唾物ばかりだ。主人公は高価な壺や石を買わされる前に、逃げ出すことも考えたが、悩みを解消してくれるならと、依頼をすることに。
 探偵が言うには、鏡は呪いの媒介物となるらしい。その鏡を通じて、生霊の正体を探る三人。しかし、合わせ鏡の中にいたのは、主人公が以前に殺したはずの人物だった。果たして、その正体は――?

 人は時に、何かを変えたいと望み、そして悩む。 
 立場や環境、容姿や性格。
 しかしそればかりに気を取られると、周りを見失ってしまいがちだ。
 ありのままを受け止めてくれる誰かがいれば、それは思いの外、
 小さなことだったかもしれない。
 そんな大切なことを教えてくれる一作でした。

 是非、御一読下さい。

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