仮説④ この世界がゲームである可能性 その四
――仮説④ この世界がゲームである可能性 その四
斯様に考覈してくると、どうも、『世界はゲームである』という仮説は可也信憑できるようにおもわれる。
では、なぜ『メタ宇宙内の人類は、わざわざ電脳空間をつくって、そのなかにつぎなる人類をつくったのか』あるいは『なぜそのなかに移住(ログイン)したのか』という謎が現前するが、これは愚生が愚作『天と地と光と蔭と生と死と巨億の愛と我の孤独と』で言及したように、『メタ宇宙内での熱力学的死やビッグクランチを回避するために、宇宙内に宇宙をつくって避難し、その宇宙内でも宇宙をつくって、無限に避難してゆく』という理窟がかんがえられる。
斯様にかんがえると、『ゴッド・ライク・マシンはなぜこの宇宙に干渉しないのか』という問いそのものが無意味になり、『そもそも、この宇宙がゴッド・ライク・マシンのなかの存在なのだ』ということが出来る。
無論、それでも『なぜメタ宇宙内の人類は、こんな地獄のような宇宙をつくったのか』あるいは『なぜこの宇宙の人類を幸せにしてくれないのか』などの疑問はのこるが、そもそも、『この宇宙がメタ宇宙のバックアップデータである』とすれば、いささか、斯様なる問題も理解できそうな氣氛がする。
そのうえで、『この電脳世界で死んだら(ログアウトしたら)死後の世界はどうなるのか』あるいは『この電脳世界はメタ宇宙の完全なるコピーなのか、あるいは、われわれには自由意志があるのか』といった、ニーチェ哲学的な問題も惹起されるが、これらは、本論とは論旨がずれるので、此処では沈黙する。
とにかく、『この世界はゲームである』という仮説について、賛否両論まじえて、読者諸賢の考覈するきっかけとなればうれしい。
今後も、なんらかの思考的な進捗があれば、こちらで報告してゆきたい。
『ゴッド・ライク・マシンと人生最大級の謎』エッセイ(『九頭龍一鬼はかく語りき』特別篇) 九頭龍一鬼(くずりゅう かずき) @KUZURYU_KAZUKI
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