仮説④ この世界がゲームである可能性 その三

――仮説④ この世界がゲームである可能性 その三


つまり、『この世界がゲーム』だとすれば、『量子力学的な法則は、メタ宇宙におけるコンピューターの演算機能の限界を解決するためにつくられた』とかんがえられるのだ。


曩時、『宇宙はひとつしか存在しない』といったアインシュタインが、『宇宙は分岐する』という量子力学者との論争に敗衄し、物理学界では『宇宙は無数に存在する』ことが常識となった。


が、『世界はゲームである』という仮説が正しければ、『量子の相補性は宇宙が分岐する証拠ではなく、前述のとおり、メタ宇宙でのコンピューターでの演算機能の限界である』とかんがえられるので、語弊を厭わずにいえば、『この宇宙は分岐しないが、量子力学的に確率論が成立する隔離された宇宙である』ということが出来るのだ(グレッグ・イーガンに、ほかの量子論的宇宙と隔離された宇宙をえがく「ひとりっ子」という短編があったはずだが、あの理窟にちかい)。


――つづく

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