ケモナー向け歴史改変スチームパンク&パスティーシュ添え

こんな小説が今までにあっただろうか……。
コアであまりにもニッチ過ぎるケモナー向け……言うなれば、「ハードケモノSF」である上に、古典作品から新しいSF小説まで、細かいネタが各所に散りばめられている。
世界大戦を舞台にした作品は多いが、これはその少し前の時代、19世紀末に活躍した武器商人たちを題材にしており、日清戦争の直後、日本でも英国と同盟を結んで日露戦争に突入していく……という、まさに世紀末の時代を、蒸気(スチームパンク)と毛皮(ケモノ&亜人)で包んだ稀有な作品。
作者も言っているが、この作品がランキングに載ったり、人気が出ることはないだろう。

だからこそ、一言。

いいぞ、もっとやれ!


11/3 追記:第二部の題名は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ディキシーランド」(某映画のパロディ)!
世紀末の南部連合国という、「あり得なかった世界」を舞台に武器商人たちがどう活躍したのか……と楽しみにしていたら、ここでも英国文学だけでなく、アメリカ文学まで幅広くカバーしている著者の知識量には舌を巻くほど。
ついに連載再開! 嬉しいです。頑張ってください!

その他のおすすめレビュー

@ruamodenaさんの他のおすすめレビュー31