勇者達は血と泥に塗れた赤旗を掲げる

ある日、繋がる筈の無かった二つの違う世界が繋がった。
西の人々はそこを「エデン」と。
東の人々は「ウトーピヤ」と呼び、嬉々として開拓に励んだ。
開拓が始まってから長い年月が経ち、現地の開拓民の世代交代が行われようとしていた頃。
現地の文明は急速に発展し、盛んな交流もあって住民との関係も良好だった。
地球とは比べ物にならない広大且つ豊かで環境汚染も無い土地でこれからも恒久なる平和な日々を続けられると彼らは思っていた。
そんな永久に続くと思われていた平和に終止符を打ったのは二つの世界を繋いでいた門の突然の消失とケディル共和国とトルダー公国による北トルダー地方を巡った武力衝突だった。
ソヴィエト連邦による支援を受けて発展してきた代わりに国内人口の爆発的な増加に伴って慢性的な食糧不足と経済不況に陥っ…続きを読む