第10話 子どもが最高に楽しい託児へ!

 2017年、12月末。

 この年最後の同人イベント、冬のコミケのために、3日間の託児を行った。


 クラファンの成功により料金の値下げができ、知名度も上がって、初めて1日10名以上の方に利用してもらうことができた。ママだけでなく、パパの利用が増えたのも嬉しかった。


 さらに、新たに素晴らしい出会いがあった。 


「子どもが夢中になるような、巨大な立体プラレールを会場に置きませんか?」


 そう連絡をくれたのは、「プラレーラー」のPさん。子ども向けのイベント会場などに、巨大な立体プラレールを設置するお仕事をしているらしい。


「僕もパパだから分かるんですが、自分が楽しむために子どもを預けるのって、どうしても罪悪感があるんですよね。

 だから、託児所を思いっきり楽しい場所にして、子どもが自分から行きたいって言うようになったら、皆ハッピーになるんじゃないかなって」


 罪悪感の払拭……!

 それだーーーーー!!


 Pさんの協力により、託児会場に子どもの背丈ほどの巨大立体プラレールを設置した。

 効果は抜群。

 お預け時、ママにバイバイもせず遊び始めたり、お迎え後も、楽しすぎて帰りたがらない子が続出した。



 このときから、託児のコンセプトが新しくなった。


『ママ・パパには「安心」、子どもには「最高に楽しい時間」を!』


 ママやパパがイベントを楽しんでいる間、子ども達もイベントみたいに楽しい時間を過ごせる託児。

 これこそ、私がやりたかった託児だ!!

 私の力の限り、この託児を続けていこう、と心に決めた。


 


 それから――


 託児の回数や利用者数はだんだんと増え、2018年には延べ291名、2019年には述べ344名をお預かりすることができた。

 利用者満足度は98%。奇跡のように好評な託児ができるようになった。


 しかし、その後。


「オリンピックでイベント縮小!?」

「新型コロナでイベント中止……!!?」


 次々と新たな課題が出てきて、全然運営は安定していない。特に新型コロナのせいで、先の見えない日々を送っている。


 でも。


 きっとこれからも、同人活動の火は消えない。

 同人イベントのある限り、この託児を続けていきたい。

 そして、たくさんの家族に、思いっきり楽しい時間を過ごしてもらいたい。

 もちろん、自分も趣味イベントを楽しみながら!



         ―おわり―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

同人イベントに行きたすぎて託児所を作りました 四辻さつき @satsuki_y

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ