元噛ませでモブなキャラに転生しちゃった、自分が物語の『主人公』『英雄』と疑わない主役の物語。
ギャグ側に走るかと思いきやかなり硬派な物語を展開していきます。
主役がついぞ『主人公』な感性を持っているため、読んでいて、こちらも心が熱くなること間違いなし。
勘違い主人公モノなので、序盤こそ「ハラハラ」しながら読んでましたが、非常に読みやすく、感情移入してしまえば一気に読み込める作品。そして19話で構成される第一部で、しっかり世界観を組み上げ、その後の展開を期待させるフラグの建立。読むのを止められなくなりました。
ウェブ小説作品として、いろんな人にオススメしたい作品のひとつです。
本作を読み始めて直ぐに頭を過ぎったのは、この作者のごりごりな異世界ファンタジー物を読めるのかッ!という歓喜だった。
この作者の過去作はいくつも読んでおり、贔屓目なしに文章力、展開の構成力が上手いのは知っていた。
そんな作者が異世界物……しかも、ゲームを準拠した世界をぶち壊すストーリーなんて書いたら、それはもう名作の予感しかない。
その予感は大いに当たった。
決して最初から恵まれた環境にあったわけではない主人公の努力による成長。
親しみやすい神話の用語をモチーフにした、だけどもよく練られた設定。
キャラクターの一人ひとりが際立つストーリー。それこそ、本来ならばモブとモブのやりとりであろう内容を正史の裏で行われた『物語の破壊』という瞬間として魅せる構成力は、読む手を止めさせない。
『ゲーム世界』『主人公が破壊するifストーリー』『ツンデレなヒロイン』『熱くるしい馬鹿主人公』。
既に擦られまくって手垢のついたこの要素も、作者の手腕によって『読みたかったお約束』へと昇華させられており、掛け値なしに読んでもらいたい一作品である。
終始褒めている、旧知の作家のお付き合いレビューだろ?と思ってるそこの君。絶対に損はさせない。読むべしッッッ!!!
なんでこの作品注目度が低いんだ…?
みんな大好き悪役転生の中の悪役憑依もの。
タイトルが「なんだこいつ」って思うかも知れないが、
主人公はやれやれ系でも「何かやっちゃいました?」系でも無いので別に主人公がこういうセリフを言うタイプじゃない。
元の人格が狂気的な英雄願望を持っており間違った行動は取らない為、忌避感は無いんじゃなかろうか。
口調はチンピラ翻訳機能がついているが、主人公の内心とのバランスはやや好みが分かれるところかと思われる。
主人公は鬱ゲーのシナリオを知っている訳じゃなく、行動がただただヒロイックで真っ直ぐにブチ当たっていくタイプなのでご都合感も無い。
これからの更新が楽しみなタイプの作品と言えるだろう。
みんなもこれ読もうぜ!