概要
2次元ではなく、3次元を生きる代筆屋のリアル
他人のラブレターを代筆する<ラブレター代筆屋>として活動を続ける僕。代筆屋が主人公の人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を投影する人たちの視線を尻目に、複雑な事情を抱える依頼者たちと対峙し、七転八倒する日々を送る。そんな最中、フジテレビの人気番組『アウト×デラックス』からの出演オファーや、不可思議な代筆依頼などが重なり、状況は複雑化することに……。地位も名誉もなく、されど、嘲笑や批判はたんとある。そんな代筆屋のリアルを綴った実話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!答えはいつも、見えないものだから。
筆者はラブレター代筆家。ご本人は「代筆屋」と称されますが、私はあえて「代筆家」ということばを使わせていただきます。ラブレターとはすなわち「恋」を映すモノ。「恋」とひとくちにいえば軽いですが、その恋には人生のたくさんの要素が関係しているのです。筆者は、人生を書く「代筆家」なのだと思います。本作はそんな筆者を取り巻く、ちょっと笑えて、ちょっと共感して、ちょっとせつなくなっちゃうようなエッセイです。
上に「人生の要素」と書かせていただきましたが、恋愛というのは単独で存在するものではありません。たとえば、受験勉強で背中を押してもらった彼のことが好きになった、という事実を考えましょう。その女の子は受…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ラブレター」が必要なときはきっと有る
私はときたま、カクヨムが「人間図鑑」のように感じることがあります。オフラインの世界だけでは知り得なかった様々な仕事とそれに付随するエピソード。
私も自分のためにラブレターを書いてほしい。何度もそれを読み返して、自分の心を整えるようにキレイにしたい。
思わずそんなふうに夢想してしまう作品でした。
これまで考えもしませんでしたが、ラブレターというものは案外、誰にでも必要な場面があり、また誰しも渡したい相手がいるのではないか?
私はずっと見落としていましたが、思いの外考えさせられることが多いアイテムかもしれません。
繊細で正直で少し危ういけれど芯を感じました。心が強く惹きつけられる文章です。