母と娘の、それぞれの、これまでと、これから

遠くの都会、誰も知人もいない地にいる娘のところに行って、生涯を終えるか?
今まで過ごしてきた「田舎」に住み続け、地域の中で生涯を終えるか?

そのどちらを選ぶかは、人により、状況により、異なる。
だが、どちらを選ぶにせよ、母にしてみれば、自らの生涯の「自己完結」のベースとなる選択であることは間違いない。

彼女の選択にかかるその意志は、固いと思われる。

親子ならいつまでも一緒に(=同じ場所もしくは近い場所で)・・・、などと見境なく述べる者もいるが、そんなものは、家制度の出来損ない理念に酒も飲まずに酔っ払ったおめでたい盆暗どもの戯言に過ぎん!
~でも、酒も飲まずに酔っ払えるのは、ある意味、うらやましいのう(苦笑)。

親子と言えども、ましてや、母と娘と言えども、しょせんは別人。
そして、最後は、全くの他人となって、それぞれの生涯を終えていくのである。
それは、同居しようがすまいが、近くにいようがいまいが、同じこと。
そんなことは、この問題の本質ではないのである。

そう考えたとき、その母の選択というのは、少なくとも私には、正しい選択ではないかと思料する。