メンヘラは善かれ悪しかれ「行間」を読む

本作において発症する「メンヘラ」は過度な言葉の連想に基づいている。
それは読者にとってはある種、滑稽なものではあるが、一方でただネガティブな言動を発するのではなく、急激な行動に転じているのが、「悲観的」との違いだろうか。

だが、医者から「メンヘラ」と診断されたことを聞いたようだが、適切な処置が明かされていない。
そして、「園崎さんがメンヘラを卒業できるまで、ずっと一緒にいるから」と言っている部分だが、
克服できるようサポートするのを志すのに対して、告白は克服後という。
一見、順当な流れだが、告白したとき、園崎さんはメンヘラではないのだから、「ずっと一緒にいる」という誓約は消失している。

すると主人公が本当に好きなのは、「自己犠牲」に関する武勇伝なのであり、広義において実際に「メンヘラ」なのは主人公の方なのではと感じた。
これもまた、行間への過度な反応だろうか。