ある会社の年越しの光景

 12月の末まで、忙しく働いている「僕」と会社の先輩。年が明けると、彼らの仕事は一段落するらしい……。
 一人称語りによって、ある二人の日常を描いたショートショート。共感できる描写の中に、違和感の織り交ぜ方がとても上手です。
 台詞や地の文に、キャラクターたちの生活の匂いを色濃く感じられました。ほんのちょっとの出番でも、深い魅力を受け取れました。