最初に手にした温もりの相手は鬼でした

 美しくも変わった姿で生まれてしまったが故に、故郷の村人や両親にも恐れられていた少女。そんな時に、銀髪の鬼の青年と出会い、あることを持ちかけられる。
 昔話風に語られる、鬼と人に関する寓話。目線は現代に寄り添っているので、こちら側がはっとさせられる気付きがあります。
 生まれ落ちた場所で、幸福に生きられるというのは良いことではありますが、それが叶えられない人もいます。しかし、自分を苦しめる場所から抜け出すことは、決して悪いことではないと、勇気を貰える一作でした。

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