素人レベルの域ではない

四章の途中なので、三章までの印象で書きます。

タイトルからの印象では『変身魔女っ娘モノの亜種かな?』でした。
しかし、読んでみるとまるで別物で、キャラや設定で押してくるそこらの作品とは違い、世界観やドラマで魅せてくる物語でした。

作者の文章力と語彙力も高く、それでいてそれを強調しない、読みやすくわかりやすい文章と構成です。読んでいて『上手い』と何度も何度も思いました。
だからと言ってキャラや設定が薄いということはなく、ヒロインのリルルと相棒のウィルウィナ、幼馴染で恋人?のニコルは当然として、彼女らに絡む者たちにもしっかりと魂があります。
それは、キャラクターの性格に一貫性があることからも伝わってきます。
『作者が書きたい物を書く』ではこうなりません。

快傑令嬢リロットはバットマンよろしくのダークヒーローっぽい活動をしてますが、まったくダークな感じはありません。
令嬢呼ばれるように淑女な振る舞いであり、人々に慕われています。が、やはり公的機関には(表向きは)追われる身であり、そういった展開もドラマとして面白いです。

キャラや文章力などが良いと挙げましたが、一番のお勧めすべき点は話の展開です。
正体を隠して活動とか悪者を倒すとか、こういった物語のお約束はしつつも、令嬢というリルル本来の生き方の中で起こるトラブルも描かれています。
もちろんそれが、快傑令嬢に絡んでくるのですが、それが上手い具合に予想を外してくるのです。それも再予想も外してきます。
『読者の予想は外しつつ、期待は裏切らない』
これのお手本です。

長くなりましたが、そこらに転がっているWEB小説とは圧倒的に違うランクですね。
これまで読んだWEB作品の中で、面白さも完成度も一番でした。
お見事!

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快傑令嬢

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