お見事でした

この作品の特に良い点は三つ。
・キャラクター
・物語の流れ
・話のまとめ方
キャラについては個性的とか共感を持てるとかではなく(それもあります)主人公の心の成長や、その成長を促すサブキャラなど、わざとらしさのない人間性が良かったです。
序盤の荒々しい主人公のまま成長していたら、よくある共感の持てない主人公に感じていたかもしれませんが、レーキ・ヴァーミリオンはそうではなく、何段階かの成長を見せてくれました。

物語の流れに関してですが、主人公の心の成長に繋がる流れが無駄なく描かれていました。強敵が出て倒すといった、ありがちファンタジーではなく、人間ドラマを中心とした物語を突き通しているところが良かったです。

話のまとめ方ですが、これは好みによるかもしれません。
章ごとに積み重ねてきたことをここで回収、清算といったように、風呂敷をたたんでいく最終章は、この物語で一番面白かったです。
一気読みしたことでキャラの印象が強く残っていたためか、目の奥が熱くなるエピソードがありました。物語の途中で出てきたちょっと嫌な性格のシアンと再会した時のやり取りがそれです。使い古さない必要なキャラでした。

最終章直前の幼キャラの登場に、『なろう幼女?!』と警戒しましたが、そんなことはまったくなく、最後は目の奥を熱くしてくれました。

ファンタジーはバトル物が好物のわたしが、人間ドラマメインのこの物語を素晴らしいと思えました。

良いキャラが多かったですが、セクールス先生、アガート先輩、シアン、カァラが特に良かったです。

長くなりましたが、ラストまでぜひ読んでみてください。

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