極上の愉快痛快爽快純愛快傑エンターテイメント作品

多くの異世界ファンタジー作品はその世界背景や情景設定を描写することなく “中性ヨーロッパの町並みだ! “のような読者の想像に丸投げしてることがままあります。それはファンタジーの様式美といえば聞こえはいいですが、手抜きと言えば手抜き。この作品は異世界ファンタジーだぞ、だからあらかじめ想像しておいてね、いちいち細かい描写しなくてもわかるでしょ、さんざんゲームとかアニメでみたでしょ、そんなガイドが聞こえてきそうな作品のことだ。


 しかしかながら本作は異世界ファンタジーというジャンルに一切もたれかかることなく、緻密な設定を土台とし、それを感じさせない描写によって読者にどっぷりと快傑令嬢世界という舞台に没入させてくれる。
 その舞台上では主人公リルル、相棒のフィルフィナ、幼馴染のニコルを軸に日常はコミカルに、時にシリアスに、過剰なまでのアクションに、ドラマティックに、そしてロマンスを絡めたヒューマンドラマを上演してくれる。
 
 エンターテイメントとはこういうもんだ、そんな読後感に溢れるハイクオリティな作品です。


一つだけ、他のレビューにもありますが、この作品とんでもない時間泥棒です。最新話に追いつくまで何度寝不足になったか。
御注意を……

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