DisÜtopia—あとがき
どうも皆さま、おはようございます。
ODNことオーディンと申します。
「Web小説にあとがきが必要なのか」と言われれば、きっと必要ではないかもしれません。あくまでこれは個人的に反省会がしたいという、ただの自己満足でございますので、どうかご容赦を。
まずは本作品について触れていきましょう。
「人間の在り方は変わろうとも、人の本質は変わらない」
この言葉をもとに私の拙作「DisÜtopia」という物語は始まったといっても過言ではありません。
——永遠の生を手に入れ、自由を手にした
人々の記憶が集約された黄金世界。ラプラスの海を渡る中で「ボク」は世界への理解と疑念を抱いていく———。
簡略化すると、このようなストーリーですが、いかにも小難しそうな作品です。
「なぜこんなにも皆さんに読んでもらえたのだろうか?」と私でも不思議に思うほどですが、書きたいと思ったものを描くのが私の
けれど、それに重きを置いたら私はきっと承認欲求モンスターになり果ててしまうでしょう。
…少し話がずれてしまいましたが、この「DisÜtopia」のさわりが生まれたのが、処女作「神様ゲーム」の妄想時(元々「神様ゲーム」とは、私が高校時代に妄想の中で描いていたお話です)。そして「人の記憶を補完し、複製体にこれを写す」という本編において重要なシステムである「ラプラスシステム」の設定が生まれたのは、私が現実世界で初めて携帯の機種変更をした時でした。
「これ、いつか人でもできそうだよな」
…という淡い妄想からでしたが、私の作品はこうした日々の妄想とひらめきで生まれます。
歯医者で初めて親知らずを抜いたときは「ああ、こういう拷問あったら最恐だな」とか、シャワーを浴びたり、便座に座っているとき、信号待ちや電車の中など様々ですが、こういった妄想の繰り返しと至らぬ知恵を振り絞ったことで「DisÜtopia」の設定が肉付けられていきました。
…普段から物忘れが多く「なんで記憶ってなくなるんだろう」という疑問が、機種変更前に苦しめられた“使ってないのに異常に減るスマホの充電〟と合わさって、記憶=エネルギーと仮定してみたり。
…「仕事めんどくさいなぁ」って思ってAIに労働を押し付けたり。
…コピー人間ではなく、死への犠牲という意味合いでのデコイにしようとか、
…「肉体年齢が違ったら礼儀作法ってどうなるんだ?」と思い、それならば精神年齢の判断として首に帯を巻いて本人の死んだ回数に応じた色で判断しようとか。
並べてしまえばキリがありませんが大体そのような具合に設定をしております。
けれど、素晴らしいことに設定には果てがありません。
書いてる最中に「ん?」と気になって手が止まることもしばしばありましたから、このあたりも次作品への肥やしとしていきたいですね。
作品と言えば、本作「DisÜtopia」は前作「誠に僭越ながら私アイドルを始めました①」の未来を描いたお話です。…これだけでもかなり敷居が高いですね。
…ただでさえ読みづらい作品を理解するために、別作品を読まなくてはいけない。
これは読者が疲れてしまいますから、これも今回の反省点ですね。
———AI社会となりつつある2500年代の日本。
医療や農業といった日本の各分野や産業が発展し、余暇に溢れ始めた時代。
「アイドル」という一縷の星は薄れ「アイドル」という言葉すら「グループ」に置き換わり始めていた中、少女「
そんな彼女を支えるのは家庭支援用AIと呼ばれる家事ロボット。幼いころからアイの面倒を見てきた母親代わりともいえる存在で、複雑な環境下で成長するアイを見守り続けてきた。
「私、アイドルになる」
そんな少女の言葉に、AIは何を抱いたのか————。
このお話は【少女×AI×アイドル】といった作品でしたが、この作品は設定付けがかなり甘かったために非常に苦労した覚えがあります。でも、大好きな作品です。
…ええ、私は好きですよ「父一人、娘一人」っていう家庭設定。
『 〈もし自分が死ぬとしたら、ニンゲンコハクとして飾られたい〉
…それがボクの秘かに思い抱いている理想の死姿であった。 』
これだけで「ボク」という人物が、どれだけ捻じ曲がった性分なのかが分かるかなと思います。このあと「ボク」はニンゲンコハクとなった自分を田舎の美術館に置いてほしいだの、館内の一番奥に置いてほしいだのと妄想を語っておりますが、書いている私ですら「恐ろしい子…!(゚Д゚」と思えるほどに、彼は私の中にある狂人性とサイコパスを引き出してくれました。
『 無限を生ける「かれら」と有限を生ける「ボク」 』
これは少年「ボク」が物語上で度々出す台詞ですが、永遠を生ける人類を「かれら」と細やかな蔑称で呼ぶ癖の悪さは嫌いではありません。そもそも現実世界で無敵アーマーを持っている人間がいたら私だって怖いです。
まあ、一度話してみて、それなりに良さそうな人なら心のATフィールドを一層分くらいは消してあげてもいいかもしれませんが。
嫌うのは、怖いから。そして知らないからです。
…まぁ、分かっていても怖いのですけどね。
人間って。
かつての「ボク」は全面的に世界を、人間を信用していませんでした。
自分を愛せず、唯一性という望みで自分を騙しながらも、結局のところ嫌悪し続けることしかできなかったからです。
その「ボク」を変えたのがラプラスの海で出会った人々。「ボク」が嫌悪し続けた「かれら」であり「彼ら」だったのですから可笑しな話ですよね。でも、人間ってそんなものです。
「ボク」は私の、ODNの一部でもありますから、やはり私はかなり面倒くさい奴なんでしょう。
続いて「DisÜtopia」の重要人物。
今作のキービジュアルに選ばれた
【———私の中の怠惰が叫んだのだ。
「我々には、もう「労働」は必要ないのではないか?」
「労働はAIに任せ、我々は生を謳歌する世界を創るべきではないか?」——と】
私の怠惰を代弁して頂いたといっても良いぐらいの、素晴らしい台詞が血戦嶽雪花菜の物語上での第一声でした。
「DisÜtopia」は「ボク」主体の話でしたが、同時に彼女の物語であったといっても過言ではありません。
明日歩らと共にラプラスシステムを生み出し、ATAと呼ばれる人類の守護者たる神のAIを創造し、その分体機であるプラナリアによって人間の営みと地球を管理する。
旧世界の日本にあったAI社会を土壌に世界を作り替えた神様とも呼ぶべき存在である彼女、血戦嶽雪花菜の物語はラプラスの海を渡る際にボクが見た小さな記憶の断片たちによって語られます。
———〝旅人〟は変わった匂いがする。別に〝外国人〟でも該当するかもしれないけれど、自分の知らない世界から来た人物というのは妙に鼻を引く匂いをもっている。他国の香辛料、花の花粉、靴底に挟まった小石‥‥そうした世界の塵芥が積み重なって匂いはつくられていく。
〝塵も積もれば山〟というけれど、積もったものを山と見るか/山とするかは見る者次第。積もる話という奴も内容が空っぽだったら意味がない。
…だから「ボク」の判断で、積もった話をしていこうと思う。
これはラプラスの海を渡る間に見た記憶の残滓。とある■■のお話である———。
記憶の中で人と会い、話をして、去っていくというのが「ボク」の旅の流れでしたが、血戦嶽雪花菜の物語「断章:零」はあくまで〈ボクが別の誰かの記憶と繋がる際に見たもの〉という少しだけ変わった形式で始まります。
この断章の塵が積もり始めたのは「ボク」が〈子ども達を救う少年〉と出会った時からなので「ボク」の変化には記憶の主である「彼ら」と血戦嶽雪花菜の人生が深く関係しているのです。
ところで、この〈血戦嶽雪花菜〉という名前ですが、初めに思い付いたのは彼女の名前である「
雪花菜というのは豆腐を作る際にでる「
ちなみに苗字「血戦嶽」ですが、とにかく強そうなものにしようと厨二病脳を働かせて考えた結果、人の歴史は大なり小なりの戦で形作られたものであり、そこで流れた血の海と屍の山によって築かれたもの。血を糧に、戦は繰り返され、屍の嶽を築く。それすなわち血戦嶽なり…といった具合です。ああ、書いてて恥ずかしい。
さて、最後に今後のODNの活動ですが。
募集用と連載用の二つで頑張ろうかと思いましたが、やはり私は不器用なので募集用のものを投稿していこうと思います。ちなみに両立で連載するとしたら「誠に僭越ながら私アイドルを始めました②」を始める予定でした。…いつか書きたいですね。
そして募集用の作品が落ち着き次第、処女作であった「神様ゲーム」に戻ろうかと考えております。まあ、そんな先のことや諸事情はさておいて、とっとと次の作品の発表に移りましょう。
●次回のODNの作品は、
異世界ファンタジーもので、ごりごりのなろう系のライトノベル作品を考えております。キービジュアルと第一部の構想が出来次第、ツイッター等で告知させていただきますので読んでいただければ幸いです。
前作よりも、より良いものを。
より素晴らしい物語を。
作品ごとに成長を見せられるように精進いたしますので、どうぞ今後のODN作品をお楽しみにくださいませ。
いつもご愛読ありがとうございます。
ODN——オーディンより
DisÜtopia ODN(オーディン) @white-black2
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