二人の歯車が回り始めた瞬間の物語。

大人になった今思い返してみれば、こうした青春期は、とても綺麗で透明で神秘的で柔らかく純真で、愛しいものだなと感じます。
制服を着て級友と何気ない話をすることすら、今となっては貴重な体験だったように思います。

歯車というのは、一つでは力を発揮できないものなのだと思います。
たくさんの歯車が集まって、噛み合うことで、回り始めるのだと思います。

作中、二人の歯車がゆっくり噛み合い、回り始める様子は、どこか心温まる感じがしました。
馬の合う級友がいると、嬉しいものですよね。

今は分からなくても、過去に自分が回した歯車が未来の自分に届き、生きる力になってくれることもあると思います。

二人にとってこの歯車が、ずっと大切な人生の宝物であるといいなと思いました。

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