人の書く小説の力を信じて。

私自身の創作活動を振り返ってみると、手書きで小説を書くということはほとんどなく、スマホでの執筆ばかりです。
デバイスの持ち込みを禁じ、手書きの作品をみんなで膝を突き合わせて講評するという活動方針は、文芸の楽しさの基本に立ち返る手法のように思えます。

もはやAIは私達の生活に深く入り込み、欠かせないものとなりました。
便利な反面、人間って本当に存在価値あるのかな? と、問いたくなる場面も増えたように感じます。
ただ、AIは人類の過去の集積であり、AIだけで未来を築くことは困難なように思います。

作中でも触れられている通り、明るい場所で作品を書くのと暗い場面で書くのとでは心理的機微が違ってきますし、その機微こそが奥深い文芸を生む素地でもあると思います。
その心の動きが面白いから、文芸はやめられないのですよね。

作品を通して作者様の人生をなぞる、考え方に触れる、書かれた時代の空気感を読み取る、小説の読み書きにはそんな楽しさがあるように思います。
AIで書かれた小説に対して疑問を投げかけるのも、この時代ならではのものと思います。
10年後や20年後には、どんな小説が人々の手で生み出されるのでしょうか。楽しみです。

小説に対して色々な思考が巡りましたが、個性的な文芸部員が織り成す部活動の様子、とても楽しく読ませていただきました!