エピローグ
「リンがマコの影響を受け始めて食人衝動が出ている。良くも悪くも、それぞれの人格がお互い干渉しあっているからか」
「支援団体がハヤシの顔の再修正手術を求めていますが、まだまだ無理ですね」
「両親含め13人も殺した食人鬼に支援団体がつくなんて、世も末だ」
「親からの性的、暴力的虐待に、闇医者による性転換手術と整形を繰り返した結果、自認する性別も身体も顔も心もグチャグチャ。同情しますよ。でも、顔がこんなになっていたら––目が覚めても嬉しいと本人が思うかは謎ですね」
「だからこそ支援団体が、せめても顔だけでも、まともにしてあげようって言ってるんだろう。俺はこのまま強制的に眠り続けてもらいたいけどな。来週の会議までに次の再教育プログラム、頼む」
「わかりました。無事に人格統合できますかね」
「さぁな。でも、すべてのプログラムが終わって、それでも結果がでなければ、このまま収容所で寿命までおねんねだ。さ、次の受刑者のとこ行くぞ」
ドアが閉まり、すべては静寂の中に––
悪夢を齧る トーン @toooooooooon
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