第15話:そして永遠に


 「んはぁ、らめぇええぇぇっ!」



 「いいのかな、いいのかな? とうとう僕も脱童貞チェリーボーイかな!?」


 ただでさえ体が熱いのに、触手にいけない所をさすられて変な声が出しまう。

 一体どう言う事よこれ、このままじゃ乙女処女の危機が!!



 「ここがいいのかいぃ~」


 「いやぁ! 初めてはステキな人って決めてるのにぃ!! なんでこんな変態にぃっ、んぁっ!」



 身体が勝手に反応してしまう。





 ここままでは本当にマジやばい!!





 ―― 勇者よ、あきらめるな。その思いを私に、魔王の野郎怨敵ぶちのめす恨みはらす為に! ――




 この声は何処から?

 あたしがそう思ったら呪いの下着パンツがうっすらと輝いている。




 ―― 栄養剤あいつらの仕業でその悶々とした思いを私に! 魔王のせいであと一歩だった脱童貞チェリーボーイの恨み、今ここで! ――




 「とにかく乙女処女のピンチよ! 任せたわ!!」




 悶々とするムラムラいけないその気持ちを股間に集中させ、そしてその思いを下着パンツに託す。



 「さぁ、そろそろ僕も大人の階段上ろうかな? んっ?」



 あたしの股間に力がみなぎる、そして真ん中に女の子には無い盛り上がりもっこりが!!



 「な、何だと!? まさかその可愛いなりでヤローだったのか!?」


 「そんな訳無いでしょうに!! 呪いの下着パンツよ、今こそ力をあたしに!!」




 カッ!




 あたしの穿いている呪いの下着パンツから盛り上がった物もっこりは社会の窓を通して元気にそそり立つこんにちはー


 その勢いにゆるんだ触手を振り払いあたしはそれをつかみ引き抜く!


 魔王は危険を感じ後ろを向いて逃げだす。




 「聖剣エクスカリバーン童貞の往年の恨み!!」




 ずぶっ!




 「ぐわぁあああぁあぁぁっ!」



 逃げる魔王にあたしは股間から引き抜いた聖剣を突き刺すと、丁度お尻の辺でそれが見事に刺さる。




 『「ダメぇ、お、お尻は初めてなのぉっ!!」』




 魔王と疲れた女の声が重なり衣装が弾け、ただ真っ裸のおっさんが転がる。


 すると聖剣と呪いの下着パンツが消えてゆく。




 ―― ありがとう恨み晴らせた。ただ、挿し込むのなら女が良かったなぁ…… ――



 「呪いが解けた!」



 魔王を倒し呪いが解けてあたしは意気揚々と城へと戻るのだった。



 ◇ ◇ ◇



 「勇者ソミアよ、よくぞ魔王を倒してくれた。これは褒美だ」


 「いや、王様それあたしのサイズより大きのだけど。と言うか褒美がそれってどう言う事よ?」



 お城に戻って今大広間で王様にご褒美をもらうのだけど、なんで女ものの下着一式なの?



 「良いのか? これはボンキュパーンになれる魔法の下着なのじゃが?」




 「いただきます!!」




 あたしは喜んでもらい受けるのだった。



 * * *



 「ふむ、これは間違いなく女勇者の呪われた下着じゃのぉ」


 「な、なんで!? 魔王なんてもういないのになんでぇっ!?」



 ばんっ!



 「大変だぁ! 次の魔王が復活したぞっ!!」




 あたしは神殿でものすごく大きなため息をつくのだった。

 

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女勇者は男物の下着を穿くと最強です さいとう みさき @saitoumisaki

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