異世界サバイバル×九尾の狐=?

 なかなか思い付かない組み合わせだと、まず思いました。
 特に九尾の狐(玉藻御前であり妲己でもありetc...)についての考証が緻密で、各地の妖狐の伝説を内包していると言うスケールの大きさが印象的です。
 
 異世界についての考証も丁寧、かつ、簡潔であり、実際に現代日本人がそこへ飛ばされればどうなるのかが良く描かれています。
 地球のジャングルに例える事すら生易しい過酷な環境下。
 本来なら一日と保たなかった筈の窮地で、九尾の狐と言う強大な存在によって命を繋がれ、一生涯さえも超越した絆のもとでの交流を経て「異世界サバイバル」と言う特殊な状況が実現しています。
 
 異世界と九尾の狐、両者の特性が綺麗に作用しあった、リアルであり幻想的な物語だったと思います。
 文章的にもボリュームとしても、読みやすく配慮されており、すんなりその世界に入り込む事が出来ます。

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