第7話 「お葉のいたずら」

 気がつけば、周りは夜になっていた。

 屋敷の敷地にいたはずの雪彦だったが、その屋敷自体、消えていた。


 今までが、夢まぼろしだったのか?

 いや、きっとお葉との時間だけが、夢まぼろしだったのだろう。

 森を出て村へと戻る。雨は轟々と音を立て、今もなお降り続けていた。


 この雨は「お葉のいたずら」が招いた雨だ。


 この日から雪彦は、領地や村の人々に、の森に足を踏み入れることの一切を禁じた。

 雨神うじん様がまうあの森に、人間が踏み入ることはご法度なのだ。


 あの森に、お葉はもういないけれど。


 彼女のいたずらは、今日も雨を呼んでいた。

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お葉のいたずら KaoLi @t58vxwqk

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