第3話ツミブカキモノ
懺悔をしよう。
僕は罪深き者である。
王子として生まれ変わったが、前世と同じようにイケメン好きであり、はじめはその事を隠そうとしていたが、如何せん、異世界第一イケメンの父王はじめ、周囲の人間たちの顔面偏差値が高かった。しかも、鏡に写る将来イケメン間違いなしな幼児を、立派なイケメンに育てなければならなければという神に与えられた使命がある(そんな使命は与えてないby神)
イケメンを眺め、イケメンを讃え、イケメンに貢ぐ。これ、人生の潤い。
「はぁー顔がいいー」
ちなみにはじめて言語として発した言葉である。パパを期待していた父上ごめんなさい。
後悔はしてない。
つまりである。イケメン好きを隠せなかった。イケメンがいたらガン見し、イケメンを褒め称え、ハンドメイドした衣裳やアクセサリーでイケメンを着飾り、絵を描いた。軍服姿は最強だよね。
でも絵だと納得できなくて、魔導具作りを勉強してカメラを完成させた自分Good Job!
でも盗撮はしないよ。本人から許可とってる。(まぁ、王子のお願いを却下出来る人間は少ないけど)
ああ、話が逸れてしまったけど、僕は罪深きことをしてしまったのだ。
婚約者であるハルルを堕としてしまったのだ。
―――――深い腐界に。
「はわわ!素敵ですわ!やはり、主従関係萌えですわ!わたくし、最推しは総受け総愛され派ですので、最推しのフィル様総愛されアンソロジーの主催者様は神ですわ!神!」
婚約者のハルルが待つサロンに行くと、可愛らしい声音が耳朶を打つ。
うん。その主催者、
公爵令嬢で王子の婚約者のハルルは、インフルエンサーなんだ。
BL文化をあっという間に広めた。
・・・本当に僕は罪深き者だ。
ハルルは入室してきた僕に気付くことなく、可愛らしい笑顔で、目をキラキラさせて本(難しそうな本に擬態している僕総受けアンソロジー)を見ている。
僕はそっと向かいの席に座り、ニコニコとハルルを眺めた。
イケメン大好きな僕が、はじめて愛しいと感じた女の子。
僕は彼女に恋してる。前世も含めて、初恋だ。
アルマ君、なんでそんな残念なものを見る目をするのかなぁ?そんな顔もイケメンだね!
僕はみんなのトラウマ製造機の悪役王子らしい。そんな事より今日も僕は顔がいい いまノチ @oujisyujinkou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕はみんなのトラウマ製造機の悪役王子らしい。そんな事より今日も僕は顔がいいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます