エピローグ



 女は、雑踏の中を悠然と歩いていた―――。



 最期の最期、気付いたんだ……神の配剤か―――いい表現ね。


 

 誰かを自在にあやつる事なんて、できない。


 でも―――、


 当人に、自由に好きなように行動させて、特定の結果を導き出すことならできる。パーツを組み合わせればいい。あてがってあげれば――いい。




 当人たちは自分の意思で行動しているつもりで、逃れられない特定の結果に高い確率で突き進んでいく。知らぬ間に――。


 さながら―――、神が配剤したかのように導かれていく。




 ほんとに小説を書いてみようかしら――女は思う。


 タイトルは―――――「神の配剤」




                    (了)




 





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

神の配剤ーふたりの女 雨月 @ugetu0902

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ