どういう医療措置をとられたか
どういった医療措置をとられたか時系列順に書いていくー未判明期ー
微熱が出て、喉がなんとなく痛い、違和感がある。
それぐらいの時期にしたことは、かかりつけ医への受診だった。毎年の検診でお世話になっている大き目のクリニック(人間ドックとかも出来るところ)に電話して、私と母の両名が、軽い熱と喉の違和感に襲われていることを話し、診てもらえないか交渉した。
(ちなみにもう一つのかかりつけ医である小さなクリニックは、いつも通院している私ならばよいが、母はダメ、と言われてしまい、あきらめた)
母は喘息もちなのだが、母曰く「今回の熱は何か変。息苦しさが段違いなの。いっそのこと高熱が出て、汗をばーっとかいて さっと引くような熱ならいいんだけれど、なんか気持ち悪い感じの嫌な熱なの」と言う趣旨のことを話していた。
そのときは念のため、貨物用のエレベーターを使うようには言われたし、カーテンで区切られた空間で待つよう言われたが、そこまで警戒はされていなかったと思う。
普通に医師の問診があり、触診もあり、喉の奥を木のへらで覗かれる、という措置もあった。
単なる風邪でしょう。と、そのときの医師は言い、四日分の解熱剤を出された。私と母は処方通りにその薬を飲んだ。
だが、四日経っても、解熱剤を使っても体調は回復せず、熱はあがっていった。
私は嫌な予感がしてたまらず、体調が悪い中、パルスオキシメーター(酸素量を測る機械)を楽〇か何かで注文し、置き配の指示を出した。
母は私にもまして体調が悪そうだった。私も母も、なるべく外に出ないようにしていた。マロンの散歩も怖くて行けないので、父が代わりに買い物したり、マロンの散歩をしたりしていた。
四日後、服用した薬を飲んでも体調が良くならない旨と、匂いの判別ができなくなった旨を再びかかりつけ医に電話して報告すると、保健所に連絡をします、ということを言われた。書いてほしい書類があるので、来るように、と言われた。
再び乗るのは貨物用のエレベーター。母は体調が悪すぎて、クリニックに行くことが出来なかったので私だけが向かった。
診察券を出すと、すぐに 隔離空間に案内された。今回はもっと厳格な措置になっていた。空気清浄機が二台おかれたその空間。医師の問診は、パーティション越しに行われた。
今度はもっと強力な解熱剤を出され、次の日に最寄りの保健所でPCR検査を受けることになった。ビニール手袋をした手が、何枚かの同意書を差し出した。
私はアルコール綿でペンを清めながら、何枚かの同意書と、PCR検査を受ける保健所の場所が書いてある書類などに目を通し、自分の名前を書くべき箇所に名前を書いた。
医師の話では、陰性でも陽性でもどちらでも保健所から連絡がはいるらしいが、陽性ならば、クリニックからも重ねて連絡をする、ということであった。
帰宅すると母はぐったりとしていて、父も心なしか体調が悪そうだった。
次の日、父の運転で保健所に向かってPCR検査を受けた。
長い綿棒を使った検査で鼻の奥を擦られ、めちゃくちゃ痛かったのを覚えている。
私に対応する保健所の職員さんは一見すると宇宙服を着ている人みたいだった。それぐらい重装備だった。
PCR検査を受けたあと、帰宅すると、家の前に段ボールが置かれていた。
やっと置き配で頼んだパルスオキシメーターが届いたのだ。
私は自分の酸素量を早速はかってみた。97。そんなに悪くはない。
そして、次に母の酸素量を測って息をのんだ。
92しかない。
90を切ると命の危機がある、と どこかのニュースでやっていたのを見たのだ。
焦ったが、既に日は落ちていて、頼りの綱のクリニックはもう閉まっている。
歯がゆい思いを抱えながら翌朝を迎えた。朝、9時か10時。クリニックが始まる時間ぐらいに私のスマホに着信があった。
祈るような気持ちで電話に出ると、私のPCR検査結果が陽性であることを知らせる電話だった。
コロナ(COVID-19の変異株N501Y)と21日間、過ごした記録-概要版- 福倉 真世 @mayoi_cat
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