刀鍛冶の技と人情が交差する、いぶし銀の秀作!

自ら打った名刀が辻斬りに使われたという噂が広まってしまい、心に傷を負った刀鍛冶の男。
もう二度と槌は握らぬと決めたその男は「包丁を作ってほしい」と頼んできた青年のために、再び玉鋼と向き合います。
刀鍛冶に人生を捧げてきた主人公が挫折を味わい、一度はその道から退こうとする様。
包丁を作ってほしいという青年の思い。
青年のひたむきな心根に再起を決意する刀鍛冶の気持ちのうつろい……。
これらが短い中におさまっていて、読んだあと清々しい感動を覚えました。
まさにいぶし銀の一作です。
時代小説に慣れていなくても読みやすい文体かと思いますので、いろいろな方におすすめです!!