概要
いつ誰と食べても変わらぬ美味しさ。
両親が共働きの我が家には、いつもカップ麺の買い置きがあった。
それは赤いきつねと緑のたぬきで、それぞれ必ず二つずつ。同じ味が食べたい時に喧嘩にならないよう、という母親の配慮だったが、大抵の場合、妹の紗礼は緑のたぬきを、そして俺は赤いきつねを選ぶ。
そして彼女は決まってこう言うのだ。
「ねぇ、一口ちょうだいよ」と。
それは赤いきつねと緑のたぬきで、それぞれ必ず二つずつ。同じ味が食べたい時に喧嘩にならないよう、という母親の配慮だったが、大抵の場合、妹の紗礼は緑のたぬきを、そして俺は赤いきつねを選ぶ。
そして彼女は決まってこう言うのだ。
「ねぇ、一口ちょうだいよ」と。
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