『赤いきつね』と母の愛情

作者 和希

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★★★ Excellent!!!

東京は、容赦がない。
上京した誰かに、振り向き、尊び、癒すなんてことはしない。
圧倒的な物量と速度と無機質なペースで、全てが迫り、通りすぎていく。

だから東京に住むひとには、優しい追憶が必要だ。
一見冷たく突き放すようでいて、その奥に感じる柔らかいつながりが必要だ。
例えば、母の。
例えば、母との追憶の中にある、暖かい『何か』の。

東京に暮らし、どこか辟易して、どこか方向性を見失って、途方に暮れる直前のあなたに、読んで欲しい作品。

★★★ Excellent!!!

タイトルの『赤いきつね』と母の愛情は、極論を言えばどんな食べ物でも成立します。母が手間をかけて作ったカレー。母と一緒に作ったお菓子の名前でもいい。しかし、この物語は赤いきつね以外の食べ物では成立しません。コンテストのために書かれたという背景はあります。それでも別の言葉に変えられていたら、ここまでの感動はなかったと思います。

郷里を離れ、東京で奮闘する「私」。先の見えない不安と孤独を抱えながら、赤いきつねを口にする。それは、母との思い出の味。心にぽうっと灯がともるような、温かさに満ちていた。寂しさから帰りたいと感じてしまうものの、「私」には戻れない理由があった――

距離も心も離れてしまった母と娘。固められた麺がお湯でほぐれるように、わだかまりが溶けてほしいと願いたくなるでしょう。切なく、温かな愛情の物語を味わってください。

★★★ Excellent!!!

主人公の悩みにも、お母さんとの関係にもすごく共感です!
読んでいて、切なくなりました。
でも、切なさだけじゃなくて、お母さんの愛情も感じられてホッコリもして……とっても感情を揺さぶられる物語だったと思います!!
主人公には幸せになってほしいなー!!!