第289話 第一次川中島の戦い
お疲れ様です。
社会人1年目となって早くも年末です。
読者の皆様には長らくお待たせして大変申し訳なく感じております。
ストック自体はあるのに投稿すること自体にやる気が出ない今の現状だと不定期更新にならざるおえないのが現状です。
すぐにどうにかなるものではないと思いますが、書くこと自体はやめません。
お付き合いください。
289 第一次川中島の戦い
1554年 4月
上杉実虎
信長達が尾張を平定して安定軌道に乗り始め、中部関東方面が一応の平穏を保っていた頃昨年の武田の第二次領地拡大戦争による揺り返しが起ころうとしていた。
「何卒!何卒お力をお貸しくださいませんでしょうか!」
上杉実虎の前には、信濃国北部で権勢を誇っていたが武田信玄に敗れて越後に敗走した村上義清が頭を下げていた。
彼は信玄に負けてから北信濃で機を伺っていたが、武田の統治が受け入れられているのを感じて他国の勢力を借りようと越後まで来ていた。
義清の周りは上杉家臣に囲まれていたが、蔑むような視線はなかった。しかし、彼らに格下として見られていた。その中で恥を忍んで頭を下げていたのである。
「ふむ、村上殿は勝算がお有りなのかな?」
実虎の代わりに上杉家臣が村上義清に対して質問する。
「はっ!武田のやつは我らの領地を支配したのはいいものを搾取するばかりで国人達から猛反発を喰らっておりまする。彼等はいまか、いまかとワシの帰参を待っており、牙を研いでおります。そこに上杉殿のお力添えが加われば必ず北信濃を奪還できることと思いまする。」
実虎としては、三石峠を実効支配されたことによる北条との微妙な関係性にピリピリしていた側面とジワジワと経済的圧力をかけられていた点、西側の坊主どもの騒ぎが苦しい点が相まってここで武田とも争うのは面倒臭いと思っていた。しかし、その反面逆に村上に軍を与えて押し返すことができればそれらの諸問題に対応するだけでいい、更には北条と争う際にも西のクソ坊主どもと争う際にも村上の援軍を当てにしたり、武田を気にせずに戦えるというメリットとを天秤にかけて迷っていた。
「上杉殿!武田信玄は坊主どもとも繋がっております!必ずや西側のクソ坊主どもと手を組み越後の脅威となることでしょう!上杉殿のお力があれば問題はないとは思いまするが削れる危険は削っておくべきかと!何卒!」
そう言って村上義清は再度大きく頭を下げて平伏した。義清にとっては大名の地位を引き摺り下ろされた時点でどのような泥水を啜ってでも復讐してやるという気持ちに満たされており自分の頭を下げるだけで済むのならばいくらでも下げてやるという気持ちであった。
「…うむ。よかろう!村上殿に兵五千を貸し与えよう!纏める将には村上殿に付き従う者たちを使うとよかろう。一応副将として配下の者をつけるが特に口出しさせるつもりはない。体裁の為につけるものと思ってくれ。その上で私自ら1万を率いて援軍として参ろうではないか。」
「ありがたき幸せ!必ずや勝利を齎します!」
今ここに史実と異なる上杉軍の可能な限りの全軍投入の流れが出来上がったのである。
〜〜〜
上杉実虎が村上の手伝い戦程度で史実と異なり、様子見ではなく全力投入を決めたのには北条氏政が昔から行なっていた小細工が効いていた。常陸から流れてきていた商人によって武具や不足品が十分に流されていた事による人口増加と兵力拡充がなされた事による地盤固めの成果。また、三国峠における実質的不可侵の状態での戦線の縮小化である。それに対して武田がこのように権勢を誇るようになったのは同様に北条氏政の影響であることを考えると面白いものでもあるが。
北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。 ヒバリ @mokaryo
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