会話がメインで綴られる、そんな……なんだろう?

  • ★★★ Excellent!!!

 まずは中身に触れる前に、この作品の文章としての魅力から。

 この作品は、会話がメインで進むお話と、エドアルドとその他の者達の心情が細かく描かれたお話で、ハッキリとパートが分かれています。
 しかし、それだけで物語の背景と、それぞれのキャラクターの関係性がわかりやすく伝わり、かつ、どうお話が進んでいっているのか、それが映像になって、頭の中に浮かびます。
 まるでラジオドラマ。
 もっと古典的な言い方をするならば、「落語」。それも、極めて現代的な。
 僕にそう思わせてくれました。
 お話をかなり作り込んでいなければ出来ない芸当です。
 

 中身について。
 一見、謀略渦巻くサスペンスのような展開にも思われるのですが、なんだろう? それだけではないような気がします。
 内容の緻密さが、「それ以外」も感じさせてくれます。
 この作品の中の「すべての声が」。

 良いですか?
 この作品の醍醐味は、声、であります。

 僕が語るべき事は、今書いているこの文章で、語りました。
 続きはアナタの「耳」で、感じ取って下さい。