まずは中身に触れる前に、この作品の文章としての魅力から。
この作品は、会話がメインで進むお話と、エドアルドとその他の者達の心情が細かく描かれたお話で、ハッキリとパートが分かれています。
しかし、それだけで物語の背景と、それぞれのキャラクターの関係性がわかりやすく伝わり、かつ、どうお話が進んでいっているのか、それが映像になって、頭の中に浮かびます。
まるでラジオドラマ。
もっと古典的な言い方をするならば、「落語」。それも、極めて現代的な。
僕にそう思わせてくれました。
お話をかなり作り込んでいなければ出来ない芸当です。
中身について。
一見、謀略渦巻くサスペンスのような展開にも思われるのですが、なんだろう? それだけではないような気がします。
内容の緻密さが、「それ以外」も感じさせてくれます。
この作品の中の「すべての声が」。
良いですか?
この作品の醍醐味は、声、であります。
僕が語るべき事は、今書いているこの文章で、語りました。
続きはアナタの「耳」で、感じ取って下さい。