淡く色づく恋心から、桜の香りが漂ってくる

美しい題名には、学生百合にふさわしい響きがあります。

人知れず色づく恋心に悩む桜花。
好きという気持ちが分からない菜奈。

心がまっさらであるがゆえに、純粋で傷つきやすい。そんな青春の甘酸っぱさを丁寧に描いています。

桜花も菜奈も可愛いですが、二人が想いを寄せる先輩達も、見守りたくなる尊さです。

そして、この物語に華を添えるのは、もう一つあります。桜花や菜奈の練習風景では、フルートの音色が聴こえてくるかのような臨場感を覚えました。オーケストラ部のみんなと息を合わせて最高の音楽を作り上げていく姿に、胸が熱くなりることでしょう。

大人になりゆく少女達の甘く儚い時間を、じっくりと堪能してください。