正に一期一会
- ★★★ Excellent!!!
利休切腹の理由は今も謎であり様々な解釈がある。
故に本作品のような話もあったやも知れぬ。
当時、茶室という密室は密談にうってつけだったろう。
利休は茶人であるがただの茶人ではない。
秀吉と利休という両雄が決した時、遅かれ早かれこのようになることは必然だったかも知れない。
何も戦場は本当のいくさ場だけではないのだ。
本作品は会話形式で進んで行き、テーマの「きょうを読む」と、誰と誰が話しているか、は読み進めれば自然にわかるが、それが実に巧みである。
また落ち着いた会話の中に、それぞれの矜持も感じさせる。
正に亭主と客の、一期一会の話である。