匿名キャラお見合い企画 自作短編解説(2)017~047編
【No.017】いざ生きめやも――作家・弱竹輝夜 愛猫週間に寄せてのインタビュー(原文)
https://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093085632012668
主催者の務めは009で果たしたので、好きな話を好きなように書きました。謎を秘めた女流作家、インタビュー形式の語り口調、戦時中の話、悲恋と転生。全て私の好きなものの詰め合わせです。タイトルに「(原文)」とあるのは、作中で述べているように、この話は記事に載ることなく記者の胸の内にだけ記憶された……という意味を込めています。
これがこの企画の面白いところで、輝夜先生の設定を作った時はまだ名威さんは居なかったのに、名威さんの設定を見た瞬間「これしかない」と話が繋がったんですよ。やはり女流作家には猫が似合う。匿名コンに長く参加されている方にはバレバレかもしれませんが、今回お名前のない板野の憧れの作家さん……が、もし見に来て下さったら、このタイトルに目を留めて下さるかな……という仄かな期待を込めた作品でもありました。
自身の死をどこか突き放して見ている前世輝夜のキャラは私の性癖ですが、複数の方がコメントして下さった通り、現世では幸せに生きてくれそうな気がします。Xのカモフラ感想でも触れたように、「いざ生きめやも」はジブリの『風立ちぬ』でも引用されたフレーズであり、同作の時代感と、「今生は生きてみましょう」という輝夜先生の想いを重ねたアリュージョンでもありました。
幸いにも多くの方に愛して頂ける作品となり、久々に主催者の面目を果たせました。ありがとうございました!
【No.024】死神の推しの子 feat.謎の高齢童貞発情誘引体
https://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093085815328374
恐らく多くの方が「これどうすりゃいいのよ……」と思われたであろうSCP案件「対象男性の望むように」、これは主催者が引き取るしかないと思いまして、ちょうど手元に108歳童貞がいたのでこんな形になりました。同時に自作キャラの萌歌ちゃんを早く動かしたかったので、「望むように」さんを通じて擬似的に萌歌ちゃんを目立たせる仕掛けにしています。
実は、シックル×萌歌のメインCPに「望むように」さんが絡んでくる話を半分寝ながら考えていたところ、起きてから「どっちも自分のキャラやん!」と気付いて考え直したのですが、結果的にここで生まれた「望むように」さんのキャラクター性を他の方も継承してくれたので良かったと思います。なお、この話のラストで、シックル君が彼女に「ノゾミ」と名前を付けるシーンを入れたかったのですが、尺的に入らなかったので、後の030『「見せたくない」は恋の始まり』でのゲスト登場時にしれっと名乗らせた次第でした。
シックル君が過去に生かしてしまった人達を回想する終盤のシーンは、ぶっちゃけ字数上限の緩和のためにサブキャラクターを多く起用する必要があったためですが、我ながらいい感じにハマったかなと思います。このあたりから、他の方の間にも「サブキャラを自然に出して字数を増やす」というライフハック(ライフではない)が広まりだして、企画的にもいい流れになりましたね。
【No.030】「見せたくない」は恋の始まり
https://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093085946350591
セバスチャンを是非動かしてみたかったので、萌歌ちゃんの恋の相手に起用しました。
同時に「主催者の責務」の一環として、ルールに明文化した「板野キャラの出演」をやっておかねばと思い、萌歌Pのプロデュースユニットとして出演させることに。過去作にアイドルキャラは売るほどいますが、今回の参加者層には南雲さんやその他の方の主催イベントからいらした方も多いことから、そちらの皆様に楽しんだり驚いたりして頂けるように空気を読んで、直近の匿名イベントへの参加作でオールスターを組みました。メタ的にも「誰彼構わずアイドルに勧誘してしまう」萌歌Pの特性が出て良かったかと思います。
さらに、加賀美さんの出演作がまだ無かったので、便利な悪役になってもらいました。加賀VS加賀美で名字が似ているので、字数に余裕があればそれに絡めたやりとりも入れられたかもしれません。
ラストの握手会のシーンは例によって「字数のためにサブキャラを出した」パターンですが、ブレードと雷香さんがCPとして来ているのはちょっとしたファンサービスのつもりです。008か009か、どちらから繋がっているかは自由に解釈して頂ける形にしました。
それにしてもタイトルがイマイチ。そのまんま過ぎるというか、もうちょっと何かあっただろうと。どなたか良いタイトル付けてくれません?
【No.040】天才少年との無謀な勝負
https://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093086119863674
奈々ちゃんの勝負好き設定を見て自然に浮かんだ話。設定上、同じ高校に居ても違和感のない彩夏ちゃんと深月ちゃんを同級生として起用したのは我ながら楽しいアイデアだと思いましたが、055『小さな青春のうた』で完全に持っていかれ、冒頭の奈々ちゃんばりに「悔しいっ!」てなりました。それはともかく。
シグマ君がルービックキューブの解法をあれこれ並べ立てるシーンは、西尾維新『傷物語』のキスショットと阿良々木君の決闘前のやりとりに影響を受けたもの。強者があれもこれも封じて互角の勝負をしてやろう、というのが好きなんですね。私はルービックキューブには全然詳しくなかったので、本作のために上位プレイヤーの間で実際に使われている解法を色々と調べました。
話のメインとなるバーベット・ゲーム(相手を騙して行う不公平な勝負)は、参考文献に挙げた通り『遊☆戯☆王』の原作に登場したものですが、ジャンプ本誌掲載時には「不公平な勝負」とする作者の解釈に誤りがあり、コミックス刊行時に「公平な勝負」として話の流れがまるっと修正された経緯がその筋では有名です。本作では、その誤解と訂正の経緯自体を奈々ちゃんとシグマの丁々発止に取り入れた形でした。
【No.044】お嬢様と、もう一度【GL要素あり】
https://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093086182876683
本作の構想の前に、「神崎こころの『ルールのギリギリを攻めてみた』」みたいなタイトルで、本企画のルールに関するメタ発言を派手に繰り出しながらこころちゃんが合法ギリギリの行為を模索する……みたいな話を考えており、その相手として白羽の矢を立てたのが、前日公開の038『I (don't) kill you baby』で魅力的な活躍を見せたばかりの綾乃嬢でした。038での振る舞いを見て、彼女はこころちゃんに対するツッコミ役として適任だなと。
その一方で、キャラクターリストで綾乃嬢と隣接する常葉さんの設定に「お嬢様」という存在があり、二人の設定を何とか繋げられないか……とも考えていたので、二つの案をガッチャンコしてこんな感じに。038で入浴中に狙われる綾乃嬢のシーンが印象的だったので、こちらでも静香ちゃんムーブをしてもらいつつ、038の世界線に言及した小ネタを挟んだりして楽しく書けました。
なお、前半のこころちゃんとのシーンに字数を割きすぎて、メインCPの片割れである常葉さんの出番が僅かなのはどうなんだろう?という気もしましたが、似た構造の010『令和のなよ竹姫は、大学生男子にご執心』が好意的に受け入れられていたので、こういうのもアリかと思いまして。常葉さんの作成者さんに「作成者の声」で喜んで頂けて良かったです。
【No.047】いつか、君を守れるようにhttps://kakuyomu.jp/works/16818093085133939965/episodes/16818093086248377828
ミヤネさんのキャラが色々な意味で強すぎて皆手を出せずにいたと思うのですが、匿名トークで述べた通り、ヒーローを目指す三沢君というキャラが追加されたことで一気に話が組み上がりました。同じく新たに追加された無藤女史の存在のおかげで、クトゥルフめいた魔物がいつ出てきてもOKという便利な世界観になったのも有難かったです。
何というか、ミヤネさんの設定の文体や雰囲気から、この作成者さんは(勿論私はプロフィールも存じているというのもあって)良い意味で中二病的なノリが大好きなんだなと察せられたので、その好みに応えるべく、バリバリ中二全開の活躍シーンに。圧倒的強者が本領を発揮する展開は痺れますよね。なお「万死をもって贖うがいい!」という中二エンジンフルパワーの台詞は、『地獄先生ぬ~べ~』の初期の話に出てきた自称天使(あれは低級妖怪が化けていただけでしたが)がそんなこと言ってたなーと思いながら書きました。
ちなみに、本作から魔法少女バースに合流することになったブレードですが、ここでは相手を明かさず惚気させています。敢えてそういうのも面白いかと思い、どの出演作の世界線と繋がっていても構わない形にしました(後の079『勧誘作戦・アリスSOS!』は前提として030の続きなので、後付けで結局雷香さんに確定はしましたが)。
余談ですが、「特撮」×「魔法」ということで、誰か分かってくれたらいいなと思いながらプレーンシュガーのドーナツが云々という記述を入れています。ラストの「2000歳なら歳上じゃないですか!」というくだりも、『ウルトラマンZ』のゼットさんとハルキのやりとりへのオマージュ。
本作を受けて、ミヤネさんの作成者さん自ら、065『いつか、君の隣にたてるように』で続きを書いて下さったのは嬉しかったです。
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