えげつない現実とつらい世界で、彼女にはかみさまがいる

 読み終えて「つ……つらいっ!」とうめいてしまいました。
 幼い子供かと思ったらそうではなく、明らかに知力に問題がありそうな少女と幼なじみの少年が語らうというだけのお話なのですが、そこから見える彼女の境遇と、幼なじみの小春くんの心境を想像すると胸が痛みます。

 作品に性描写ありレーティングがついていないのでここでバラしてしまうのですが、主人公が援助交際(今だとパパ活でしょうか)に疑問を持たなかったり、経血が落ちて小春くんがほっとしている理由に気づかない(=妊娠していない)ことなどの描写が精神的にきついですね……。本当に、もう、もう色々な意味で……。

 彼女にとって小春くんがそういう存在だというのは大変けっこうなのですが、必死で助けようとしている小春くんが辛すぎて辛すぎて言葉を失います。

 彼はどのような気持ちで、空ちゃんに「神さま」がどういうものか、自分にはそんなものいらないと言ったのか。
 胸に残るしこりが、思い返すだにジクジクとまだ痛む、そんな作品です……。