狂っているのは誰だ——?

 ある探偵事務所に、一人の探偵がいた。そこに、殺人者と視界を共有することが出来る少年が転がり込んできた。その少年は、移植手術を受けた角膜のドナーだった。そして少年は、いつか自分も殺人者になることに怯えていた。実際、角膜移植を受けてから、殺人衝動があったらしい。探偵と少年は、レシピエントからドナーにその性格や性質、衝動などが移転する症例から、他のドナーにもあたりをつけてみる。ところがその同じレシピエントから移植を受けたドナーたちは皆……。
 そして四年半が過ぎ、探偵の娘が少年を訪ねてくる。死んだ父の遺品を取り戻し、父の悲惨な死の謎を解くためだ。少年もこれに協力し、レシピエントの出生や少年の親族を調べ始める。やがて、始まりは小さな島の島民が行っていた悍ましい慣習だと判明し、その島に乗り込む。そこに祀られたいたものは、姑獲鳥から派生したと思われるトリにまつわる異形だった。その異形を祀ることで、島民たちは厄災を逃れ、力を手にしていた。しかし、それには対価が必要だった。
 
 少年の親族に隠された秘密。
 そしてかつて島を脱出し、島を焼いて神を殺そうとした少女。
 全てが明らかになった時、信仰の皮を被った呪いが見えてくる。

 今、貴方は、生肉を食べたいと思いすか?
 思った時には、もう、遅いかもしれません。

 是非、御一読下さい。

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